- Step.1 時間プロファイルとは【概要レベル】
- Step.2 時間プロファイルとは【業務ユーザレベル】
- 2-1. 時間レベルと集約/分解の構造
- 2-2. 技術週レベルとは(週レベルと月レベルへの集約)
- 2-3. 日(DAY)データを保持するべきか
- Step.3 時間プロファイルとは【システム担当者、カスタマイズ設計開発者レベル】
Step.1 時間プロファイルとは【概要レベル】
時間プロファイルとは「計画範囲に割り当てる時間間隔の構造」です。
具体例でいえば、
- 技術週
- 週
- 月
などの時間間隔を時間プロファイルと呼びます。
時系列ベース供給計画では、ほとんどの場合は以下の時間プロファイルレベルを採用します。
- 日 / 技術週 / 週 / 月 / 四半期 / 年
ただしパフォーマンスのために、計画データとしては技術週(TW)レベルを最小保持粒度とするユーザ企業も多いです。
Step.2 時間プロファイルとは【業務ユーザレベル】
上記の通り時間プロファイルは計画データを管理するための時間間隔です。
Excel UI上では、計画ビュー編集の”時刻”タブの時間レベルに該当します。
ここでは、導入検討段階や導入PJ中のユーザを対象に、
- 時間レベルと集約/分解の構造
- 技術週レベルとは(週レベルと月レベルへの集約)
- 日(DAY)データを保持するべきか
をご説明します。
2-1. 時間レベルと集約/分解の構造
集約/分解の構造は以下のイメージです。

集約と分解は異なる仕組みですが、業務観点では上記の集約構造の理解で十分です。
- 年
年間のデータ(会計4~3月の例:4/1~3/31)を保持・集約するための単位です。
このレベルの集約のもととなるデータは四半期データとなります。 - 半期
半期のデータ(会計4~3月の例:4/1~10/31)を保持・集約するための単位です。
このレベルの集約のもととなるデータは四半期データと理解して問題ないです。実際には半期レベルはIBP標準の時間レベルではないのですが、追加設定することが多いです。 - 四半期
半期のデータ(例:4/1~6/30)を保持・集約するための単位です。
このレベルの集約のもととなるデータは月データとなります。 - 月
月のデータ(例:4/1~4/30)を保持・集約するための単位です。
このレベルがデータ保持レベル(基本計画レベル)でない場合に、このレベルの集約のもととなるデータは技術週データとなります。 - 週
週のデータ(月曜はじまりの例:2031/4/28(月)~2031/5/4(日))を保持・集約するための単位です。
このレベルがデータ保持レベル(基本計画レベル)でない場合に、このレベルの集約のもととなるデータは技術週データとなります。 - 技術週 ※詳細は2-2.をご参照ください。
週のデータ(月曜はじまりの例:2031/4/28(月)~2031/4/30(水))を保持・集約するための単位です。
このレベルがデータ保持レベル(基本計画レベル)でない場合に、このレベルの集約のもととなるデータは日データとなります。
なお日レベルでデータを保持しない場合は、上記の図における技術週以上の構造となります。 - 日
日のデータ(例:2031/4/28(月))を保持するための単位です。
2-2. 技術週レベルとは(週レベルと月レベルへの集約)

改めて上記の図を参照して、技術週レベルについてご説明します。
覚えていただきたいのは、”週レベルから月レベルへの集約はできない”ということです。
具体的には上記の2033/6データへの集約のもとになるデータは、2033/6/27週のデータではなく、2033/6/27技術週(6/27~6/30)のデータであるということです。
例えばあるキー数値のデータ保持レベル(基本計画レベル)を週レベルとしている場合は、そのキー数値を月レベルに集約することはできません。この事象は、入力キー数値を要件に合わせて追加した場合に起こり得ます。
SAP IBPの特徴として、ユーザが計画ビュー編集の時刻タブから時間レベルを指定することで、同じキー数値に対して時間粒度を集約して表示することができます。
上記に述べた集約構造によって、動的な集約が可能になっていますが、業務での使用頻度が多い月レベル・週レベルへの集約は技術週レベルがもととなります。
ユーザが技術週レベルを業務上参照することは多くないと思いますが、週レベルで保持しているキー数値がある場合は、月レベル・週レベルへの集約構造を理解しておくのがよいでしょう。
2-3. 日(DAY)データを保持するべきか
SAP IBP導入プロジェクトで最初に議論される論点は「データの最小時間粒度」でしょう。具体的には、”技術週(technical week)” or ”日(day)" のどちらを最小粒度とするか、ということが議論されます。
個人的には、基本的に”技術週(technical week)”を推奨します。
ただし、Shelf lifeのS&OP演算子(Time-Series-Based Shelf Life Planning Heuristic、Time-Series-Based Shelf Life Distribution Planning Heuristic等)を使用する場合は”日(day)"レベルが必要となるでしょう。
まずShelf lifeを使用する場合、つまり保存期間あるいは賞味期限をS&OPの起点に含める要件がある場合、その要件は日単位での期間を考慮することがほとんどです。よって、Shelf lifeヒューリスティックを使用する場合は、”日(day)"レベルのデータ保持となります。
次に、基本的に”技術週(technical week)”を推奨する理由は、「SAP IBPは統合事業計画システムであり、生産スケジューラではない」からです。
データの最小時間粒度=データ保持レベル(基本計画レベル)は、担当部門が意思決定できる粒度です。
言い換えれば、事業計画として担当部門がその粒度の計画に対して責任を持つことを意味します。
例えば、生産管理部門では日次計画を調整するから”日(day)"レベルが適切だとお考えになるかもしれません。
その場合は日次計画が、全社的な事業計画の段階の話か、あるいは直近の詳細能力計画の話か、分ける必要があります。
SAP IBPのキャパシティ計算はあくまでラフカット(Rough-cut Capacity Planning)であり、詳細能力計画はSAP IBPの範囲外です。
SAP IBPで事業計画としてラフカットレベルの生産計画を立て、後続の生産スケジューラで日次レベルの生産計画を調整することが適切です。SAP製品でいうならば、生産スケジューラはPP-DSに当たります。
したがって、統合事業計画システムであるSAP IBPにおけるデータの最小時間粒度は”技術週(technical week)”を基本とするのが適切であり、もしShelf lifeを考慮する場合は”日(day)"レベルが必要になる、と考えております。
ただし上記は個人的な見解であり、実際のプロジェクトでは複合的な要件を議論したうえで、データ保持粒度を決定する必要があります。
Step.3 時間プロファイルとは【システム担当者、カスタマイズ設計開発者レベル】

(更新予定:時間プロファイル定義、属性割り当て、時間プロファイルデータ統合、計画範囲への割り当て(時刻設定)、他)
※各概念のStep1,2を優先して執筆予定です。