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【SAP IBP】計画範囲 (Planning Areas) 

 

Step.1 計画範囲とは【概要レベル】

計画範囲とは「ある計画プロセスのアプリ基盤構造」です。

具体例でいえば、ユーザ企業ごとに定義された計画範囲、あるいはサンプル計画範囲であるSAPIBP1やSAP7F、I_SAPIBP2が該当します。

 

ここで”ある計画プロセス”とは、IBPを統合事業計画のために導入する企業であれば”統合事業計画”それ自体となります。

つまり、計画範囲とは「統合事業計画のアプリ基盤構造」となります。

 

基本的に業務ユーザがログインできる計画範囲は1つであるため、ユーザが計画範囲を意識することはありません。

SAP ECCやS/4 HANAにおける、クライアント と似た概念になります。

 

計画範囲は、他の記事で説明している時間プロファイル、マスタデータタイプの属性、計画レベル、キー数値、およびバージョンで構成されます。

 

Step.2 計画範囲とは【業務ユーザレベル】

計画範囲は業務ユーザ観点では「IBPシステム全体」といえます。 

 

Excel UI上では、SAP IBP へのログイン画面で表示される接続先です。

 

ユーザが使用する計画範囲は、以下のサンプル計画範囲をもとにカスタマイズして作成されます。

SAP Help Portal | SAP Online Help

 

ここでは、導入検討段階や導入PJ中のユーザを対象に、

  • 受注起点の計画 (Order Based Planning) について
  • Excel UIとFiori UIの計画範囲に関する違い

をご説明します。

 

2-1. 受注起点の計画 (Order Based Planning) について

「需要/販売計画ベースではなく、受注ベースでの生産計画を立案する必要がある」という場合には受注ベースの計画プロセスを採用する選択肢があります。

 

ただし以下の制約があるため、容易に採用することはおすすめしません。

  • 計画プロセスの業務フローが複雑になります
  • Response and Supply モジュールの契約が必要です
  • Order Based Planningの計画演算子(OBP Finite Heuristic、OBP Optimizer)は通常の計画演算子と異なるため、使い分けが必要です

計画精度の向上によるProsと業務負荷やモジュール費用によるConsを比較したうえで導入を検討する必要があります。

 

受注ベース計画を採用するかによって、計画範囲の構成が異なります。

具体的には以下の図のようなイメージとなります。

I_SAPIBP2のサポート開始

統合事業計画の策定を目的にIBPを導入する企業では、SAPIBP1をもとにカスタマイズをしていきます。

 

一方で、受注ベース計画のためには統合事業計画とは別の計画範囲を作成することが基本でした。なお、受注ベース計画を採用する企業が必ずしもIBP上で統合事業計画を別の計画範囲として保持するわけではなく、受注ベース計画の計画範囲だけを保持することもあります。

つまり、統合事業計画と受注ベース計画のどちらも策定する場合には計画範囲を2つ保持する必要がありました。

 

これに対してI_SAPIBP2は、受注ベース計画が可能な統合事業計画を策定できる計画範囲となります。計画範囲を切り分けずに、統合事業計画および受注ベース計画の機能を使用できるようになります。

ただし2026年時点で、SAP社公式によるI_SAPIBP2への変更の推奨は掲示されていません。

なぜなら、I_SAPIBP2で使用できる機能に制約があるためです。

 

よって受注ベース計画を使用しないならば、少なくとも2030年頃までの導入プロジェクトであればSAPIBP1をもとにカスタマイズすることが妥当だと考えられます。

ただし受注ベース計画を使用する場合は、一部機能制約があるにせよ、計画範囲を2つに分割するよりもI_SAPIBP2をもとに導入を進めるほうが将来性が高いと考えられます。

 

なお公式提示はまだありませんが、2026年時点でI_SAPIBP2への機能充足の流れが見られるため、2030年以降にECC→S/4 HANAマイグレーションのような変更を求められる可能性があります。

 

2-2. Excel UIとFiori UIの計画範囲に関する違い

Excel UIでは、ログイン時に計画範囲を指定して接続します。

また、SAP IBPを導入する多くの企業では、ユーザが使用する計画範囲は1つです。

よって、Excel UI操作時に計画範囲を意識することはありません。

 

一方で、Fiori UIでは計画範囲を指定しません。

例えばアプリケーションジョブ (Application Jobs) やカスタムアラート監視 (Monitor Custom Alerts) では、各機能の実行画面で計画範囲を指定します。

 

以上の通り、Excel UIではログイン時に計画範囲を指定し、Fiori UIでは各機能で計画範囲を指定する、という違いがあります。

だからといって業務ユーザが特段意識する必要はありません。

 

Step.3 計画範囲とは【システム担当者、カスタマイズ設計開発者レベル】

計画モデル概要図における計画範囲

(更新予定:保守運用における計画範囲の扱い方、他)

※各概念のStep1,2を優先して執筆予定です。